登録票について考える


  • 登録票って何?

     CITESの日本語訳はお読みいただいたろうか? 全文を読むのは大変なのでそれに基づき日本での対応をここで紹介したい。 ここで『本文』と表記するのは『CITES日本語訳』なので其れを参照していただきたい。
     先ずは、私が飼育している生物に於いてCITESに拠って規制されている動物は『アジアアロワナ』と『リクガメ』である。 アジアアロワナは付属書1に属す生物、リクガメは付属書2に属する生物である。 と言うことは単純に考えればアジアアロワナは、個人で飼育しては違法になる生物となってしまう。 事実1989年以前の数年間は飼育する事が規制され、輸入自体が止まっていた。 ところが本文第七条4項により『商業目的による繁殖』が成功し、正規輸入が可能になり現在に至っている。
     では、どのようにして野生繁殖個体群(WC)と人為的繁殖個体群(CB)を区別したら良いのだろうか? 魚に答えを求めても其れは無理だ。 と言うことで、日本国内に置いては『国際稀少野生動植物種登録票』の発行となる。 輸入当初は環境庁(現環境省)が登録業務を行っていたが、現在は『自然環境研究センター』が、代行して行っている。
  • アジアアロワナの場合

     具体例を示したいと思う。 私の場合は『アジアアロワナ』のケースであるが、その手続きは基本的に大差は無いと感じる。

     先ずは、ペットショップでアジアアロワナを購入する。 之が無ければ何事も始まらない。 其の時あなたは最低限二つの重要な書類を受け取ら無ければならない。 一つは『国際稀少野生動植物種登録票』で、もう一つは『国際希少野生動植物種譲受け等届出書』である。 まれに現地ファームやショップが発行する『繁殖証明書』なるものを渡される事があるが、これについてはCITESには全く関係ないものなので、受け取っても受け取らなくても一切関係ないし、無くても違法とはならないので注意していただきたい。

     実はこの『国際稀少野生動植物種登録票』は、『誰』が『何処』で『何』を飼育するのか『自然環境研究センター』で登録・管理している。 あなたがアジアアロワナを購入した時点では国際稀少野生動植物種登録票の飼育場所や登録者はショップオーナーになっているケースが殆どだ。 と言うより、その様になっていないと基本的に違法なのである。 ショップはアジアアロワナを輸入業者から仕入れる。 其の時にはアジアアロワナと言う生体は、ショップの水槽を泳いでいる事になるが、国際稀少野生動植物種登録票は対象個体と同時に移動しなければならない。 即ち、対象生物の所持者及び飼育場所が変更となるので、ショップオーナーは国際希少野生動植物種譲受け等届出書を提出し、移譲を完了させなければならないのである。

     この場合と全く同じ事が、あなたがアジアアロワナを購入した場合生じる。 ショップからアジアアロワナを購入し、自宅の水槽にて泳がせるのであるから、生体及び国際稀少野生動植物種登録票をアジアアロワナを購入したショップから受け取り、更に所持者及び飼育場所が変更となるので、国際希少野生動植物種譲受け等届出書に必要事項を記入し、自然環境研究センターへ持参及び郵送しなければならない。 この事は肝に銘じていただきたい事だが、決して人任せにしないで頂きたい。 この変更は譲渡された者が行う事なので、サービスでショップが代行してくれる場合もあるが、基本はあなたが行わなければならないのである。

  • 自然環境研究センター

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